海外でもTNR活動(猫の不妊手術後の耳カット)は近年、積極的に行われています。
日本と同様、避妊・去勢した目印に耳が切られていますが、国によって切り方や大きさが異なります。日本での切り方は、V字型の「さくら」のような形が主流ですが、海外ではどうなのでしょうか。今回は「耳カット」されている海外の猫たちを写真でご紹介します。
イタリア・ローマ
ローマ市内にある「トッレ・アルジェンティーナ広場(Largo di Torre Argentina)」です。遺跡全体が猫の保護地域になっています。遺跡の中には保護施設があり、その中でノラ猫や病気の猫の面倒を見て、譲渡も行っています。耳をぱっつんと横に切ったような形は、遠くから見ても分かりやすくするためです。
▲ローマ市内では、何カ所かでTNRをした猫に会うことが出来ました。
台湾
猴硐(ホウトン)にある「猫村」は村全体が猫の保護地域になっています。昔、炭鉱があった古い町ですが、現在は猫に会いに来る観光客で賑わいます。村の広い範囲で暮らしているためか、遠くからでも手術済みが分かるように大きめに切られています。左右違う場所なのは、オスメスの区別かと思われます。
▲オス猫かも!
▲メス猫さん?
トルコ・イスタンブール
トルコでは、日本と同様にV字型に切られていました。切られている箇所はとても小さく、よく見ないとわかりません。宗教上、猫を可愛がる人が多いので、少し控えめに切っているのかもしれません。外で暮らす猫の数は世界でもトップクラスに多いのですが、手術を施されている猫は住宅地で暮らす一部の猫のようです。
▲人に慣れている猫が多く、すぐ傍で見ることができます。
シンガポール
HDRという団地街に地域猫が暮らしています。敷地内で住民たちが給餌をしているようです。耳カットは真横に切るタイプが多いです。
▼シンガポールは多民族国家です。団地の掲示板には猫の餌やりに関する注意書きが、英語・中国語・インドネシア語で書かれていました。主な記載事項は以下のとおりです。
・フードは床に直接置かない。お皿か新聞の上に置く
・常に残り物を片付け、フードを残さない
・給仕は交通量の多い場所を避ける
・窓の外から食べ物を捨てないで
ハワイ・オアフ島
意外と野良猫が多いハワイ。ボランティアによりお世話をされている猫たちがいます。私が見た公園でも、小さめにV字型の耳カットをされている猫がいました。切り口は、写真に撮ってから見ないと分からない程度の大きさです。
マルタ島(マルタ共和国)
猫が多いことで有名なヨーロッパの島国・マルタ島。家の中で飼われている猫がほとんどのようです。しかし野良猫も多いため、個人で外猫の世話をしている有名なおじさんやおばさんがいます。耳の上部を切る方法ではなく、横側が小さく切られています。猫らしい耳の形を守る方法なのかもしれません。
クロアチア
城壁が有名なドブロブニクの猫たちです。こちらも一部の猫には耳カットがされていました。