ポッポ(腎不全・ステージ4)は、この半年ほど週に1回の点滴を続けています。
1回の量は約100mlほどです。
皮下点滴は、脱水症状の緩和や腎不全の進行を抑えること、そして食欲や元気の維持のために行われます。
最初のうちは週1回の通院で点滴を受けていましたが、これからも長く続けていくことを考えて、途中からは自宅での点滴に切り替えました。通院の負担が減り、費用も少し抑えられます。
点滴の回数は、週に2〜3回だったり、毎日だったりと、その子の状態や先生の方針によって変わります。回数や量は猫の体調によって変わるので、獣医さんとよく相談しながら進めるのが安心です。

▲いつもいる落ち着く場所での点滴、高い位置から点滴の管を垂らします(うちは壁にハンガー掛けがありました)
点滴の費用(病院と家)
通院だと診察料含めて2~3千円ですが、家での点滴だと5回分(輸液1本)のセットで1200~2000円程度です。
*費用は病院によって異なります。
針の刺し方や手順は、最初のうちは病院でしっかり練習することが大切です。先生に見てもらいながら、少しずつ慣れていきましょう。飼い主さんが緊張していると、猫さんに伝わってしまうので自然に・・・。
自宅で点滴をしているときも、いつもと違う様子があればすぐに病院へ。特に問題がなくても、定期的に経過を診てもらうことで安心です。
▲輸液1本に対して、輸液セット(管)1本、針は5本(+失敗したとき用に数本)、エタノールを含んだコットン
針は一度刺した物は2度目は使えないので、失敗した時用に何本か余分にもらいます。
*1回分が100mlの場合
*使用済みは医療廃棄物になるので、病院に戻します。
点滴の時に動いてしまう・・・?
家での点滴は、じっと静かにしてくれるかが心配です。
日常的に座っている椅子やソファの上など、猫が落ち着ける場所を選ぶのが大切だと思います。そして、最初に無理をさせて「怖い経験」をさせないこともポイントです。
無理やり押さえつけて…というより、できるだけ自然な形で行うのが理想ですが、どうしても動いてしまう場合は、キャリーケースに入れたままや、保定袋を使うこともあります。ただ、できれば使わずにすむのが一番です。
動いてしまう原因のひとつに「痛み」や「違和感」があると思います。
針を刺す瞬間の痛みは、正しく刺せばそれほど強くありませんが、冷たい液体が体に入るときの感覚が嫌で動いてしまうことが多いようです。こればかりは、点滴を受けている本人にしか分からない感覚です。
そのため毎回、点滴の前には輸液バッグを電子レンジで少し温めています。温め時間は残量や季節によっても違いますが、目安としては電子レンジ600Wで2~30秒ほどから。温めたあと、針の先から少し液を落として指先で触り、人肌くらいの温かさになっているかを確認します。
冷たすぎても熱すぎても良くないので、ここが一番難しいところです。
でも、温度がちょうどいいと、ポッポも点滴をされていることにあまり気づかないようで、じっと落ち着いていてくれます。

▲針が抜けないよう注意しながら、こまめにチェック!
私自身も入院したとき、冷たい点滴で腕が痛くなった経験がありました。そのときにホットタオルを当ててもらって楽になったことを思い出して、ポッポにも「あずきのパック」を当てています。
点滴中だけでなく、点滴が終わったあとに使うと、体の冷えを防ぐことができるのでおすすめです。
腎不全に冷えは大敵です!!
うちでは、あずきのチカラ 目もと用を使っています。
点滴の最中や点滴後は、輸液が入っている部分を中心に温めています。普段は、腎臓や腰まわりを中心に背中全体をじんわり温めるようにしています。(低温やけどを防ぐために、数秒おきに少し位置をずらすのがポイントです)
こうして普段から温めに慣らしておくと、気持ちいいようでボーっとリラックスしてくれます。

点滴のときは、猫が安心できる場所で落ち着いてできるようにすることが大切です。一度でも嫌な思いをしてしまうと、次から点滴が難しくなってしまうことがあります。できるだけリラックスできるように、優しい言葉をたくさんかけて、撫でながら点滴してみてください。
私はいつも「ポッポすごいね〜、えらいね〜、天才〜!」なんて声をかけながらしています。
そのおかげか、7〜10分ほどの間、とても静かにじっとしてくれます。
点滴が終わったあとは、「よく頑張ったね」と声をかけてたくさん撫でてあげると、安心した表情になります。おやつをあげるのも手かもしれません!
「点滴=嫌なこと」ではなく、
「点滴が終わると褒められる・いいことがある」
という印象を持ってもらえると、次回も落ち着いて受けてくれるようになります。
腎臓の位置
ちなみに猫の腎臓の位置はこのあたりで、背中側にあります。

点滴はいつ辞める?
最期の看取りの時は、あまり水分(点滴)を入れすぎず見送ってあげるのが、本人にとって楽な亡くなり方のようです。
無理な皮下点滴と強制給餌は苦痛を与えるだけの場合もあります。その子の様子をよく見て「どうしてあげるのが一番穏やかか」を考えてあげてください。強制給餌は口にごはんを入れても、自力で一切飲み込まなくなったら、それが『やめるサイン』だと思います。点滴も同じで、その頃がやめどきなのかもしれません。本当に最期のときは、シリンジでお水を入れても口からスーッとこぼれていき、体ももう動けません。その姿を見るのはとてもつらいですが、もう十分に頑張ってきた証だと思います。
点滴を続けていると、次のような変化が見られることがあります。
・痛みやストレスによる体の負担
・体のむくみ(尿量の減少や水分排出の低下)
・呼吸の苦しさ(腹式呼吸になっている)
・点滴後にぐったりしてしまう
になることがあります。
人間もそうですが、枯れるように静かに逝くのが、一番苦しまない最期の迎え方だと感じます。
「諦める」というよりは、「穏やかに見送ってあげる」という気持ちでいてあげたいです。
うちのポッポ(2025年11月)
余命3〜6か月と宣告されたポッポですが、5か月経った今も食欲旺盛で元気に過ごしてくれています。たまに食欲が落ちたり、足元がふらつくこともありますが、それでも一生懸命に生きてくれている姿を見ると、本当にありがたい気持ちになります。
体の変化を感じて、不安な気持ちもあると思うので、できるだけストレスのない、楽しい毎日を心がけています。
そのために、腎不全の療法食を基本にしながら、ポッポが「自分から食べたい」と思えるものをときどきプラスしています。
・シニア用ちゅ〜るごはん(これは毎日)
・コンボ プレゼント(大好き)
・やわらかいレタスや白菜のやわらかい葉(大好きだけど消化不良を起こすので2口くらい)
・鶏肉のゆで汁(身はチャチャが好き)
・刺身(2センチ角ほど。食べない時もあり)
先生からも、
「どんどん食欲が落ちていくので、猫に安全で食べられそうなものは、少しでも食べさせてあげてください」
と教えてもらっています。
今のところ体重は5.7kgあり、ゆっくりですが体調を維持できています。このまま穏やかに、一緒に2026年を迎えられそうです。ポッポの時間が、少しでも穏やかで心地よいものでありますように。
※この記事は、私自身の体験をもとに書いた内容です。
猫さんの状態によって異なりますので、治療方針や点滴の方法については、獣医師の先生と相談しながら進めてください。









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